■10節終了時点の順位はどこまで意味を持つ?
J2リーグ戦は全日程のほぼ4分の1を消化したが、この時点での順位は最終的な結果にどれぐらい結びついているのか。過去の自動昇格チームの成績を確認してみる。
2022年は横浜FCが勝点26で首位に立っていた。最終的には2位でフィニッシュした。一方、J2優勝を成し遂げたアルビレックス新潟は、この時点で勝点16の6位だった。
21年優勝のジュビロ磐田は、勝点18の4位で10節を終えている。首位の新潟とは勝点8差だった。2位でJ1へ昇格する京都サンガF.C.は、勝点22の3位である。こちらは新潟と4差だった。
コロナ禍の変則日程で行なわれた20年は、V・ファーレン長崎が勝点23で首位に立っていた。2位は優勝をつかむ徳島ヴォルティスで、長崎とは勝点4差だった。徳島とともにJ1行きを果たすアビスパ福岡は、この時点で勝点15の9位だった。
19年の10節終了時点は、水戸ホーリーホックが勝点22で首位だった。優勝する柏レイソルは勝ち点18の5位、2位をつかむ横浜FCは勝点13の12位だった。
18年のJ2を制した松本山雅FCも、19年の横浜FC同様に10節終了時点の成績は振るわなかった。勝点14の9位である。一方、2位でJ1行きをつかむ大分は、勝点21で首位に立っていた。
過去のシーズンを振り返ると、10節終了時点で1位と2位に立っていた2チームが、そのままJ1へ自動昇格したケースはない。ただ、順位よりも気になるのは勝点差だろう。この時点で首位との勝点差がもっとも離れていたのは、22年の新潟の「10」である。
23年シーズンの順位表を見ると、勝点23で首位の町田から10差以内となるのは、勝点13で13位のロアッソ熊本までとなる。まだまだ多くのチームにJ1自動昇格のチャンスがある、ということだ。
勝点12で14位の清水は、過去のデータに基づくとJ1自動昇格圏外ということになる。とはいえ、データは絶対ではない。未来を占う資料になるが、破られるものでもある。山口相手に本来の攻撃力を爆発させたいまの清水は、勝点奪取のペースを加速させていく予感を十分に漂わせている。