2023年のJ1リーグが開幕した。まだ第3節までを終えたばかりだが、どのような勢力図になっているかは気になるところ。サッカージャーナリスト・後藤健生が、直近の戦いぶりから優勝候補たちの現在地を探る。
■CBに続く受難
横浜F・マリノスの“対抗馬”といえば、なんといっても川崎フロンターレだ。
2017年以来の6年間で4度優勝。昨年は、相次ぐ主力級の移籍によって戦力を落とした上、守備陣を中心に負傷による離脱者が続出したため苦しみながらも、しぶとく勝点を積み重ねて最終節まで横浜FMと優勝を競り合った。苦しい試合でもなんとか勝点を拾ってきたのは、彼らが“勝者のメンタリティー”を持ったチームだからである。
だが、今シーズンの川崎は第3節を終えて1勝1分1敗と、数字的にも苦しいスタートとなった。
川崎が苦しんでいる最大の原因は、横浜FMと同様に(あるいは、それ以上に)DFラインを安定させられずにいることだ。
昨シーズンまで、川崎の守備の中心にいたCBの谷口彰悟がワールドカップ後カタールのクラブに移籍。また、左SBの登里享平は開幕直前に負傷して離脱中である。
そして、開幕後も川崎DF陣は相次いで欠場を強いられる。
横浜FMと対戦した開幕戦では車屋紳太郎が負傷して60分で交代を強いられると、さらに終了間際にはジェジエウがマルコス・ジュニオールを後ろからのタックルで止めて退場となってしまう(最初はPKの判定だったので「三重罰」を避けるためにジェジエウにはイエローカードが示されたが、VARによる確認によって反則の位置がペナルティーエリア外だったためFKに変更となり、ジェジエウは退場となった)。