■接戦の連続か

 こうして、横浜FMと川崎フロンターレという絶対の優勝候補はともにまだ万全の状態ではない。

 横浜FMは2勝1分で結果としては申し分ないが、開幕戦の川崎との試合は開始4分で川崎のGK鄭成龍(チョン・ソンリョン)のミスパスをカットしていきなり先制するという幸運に恵まれての勝利だった。

 一方の川崎は開幕戦の敗戦は仕方がないとしても、第3節では昨年も連敗している“苦手”の湘南と引き分けに終わってしまった。しかも、内容的にも湘南の積極的なプレッシングでパスをつないで相手陣深くに入れず、しかも湘南の積極的なパス回しでピンチも多い試合。シュート数などでも湘南を下回っており、むしろ引き分けで済んだのが幸運だったような試合だった。

 もっとも、横浜FMは広島戦では永田の退場で10人になってからも最後まで勝利を目指し、実際に得点チャンスも作り、チーム力の高さと攻撃的な姿勢を印象付けたが、川崎も鹿島戦では山村の退場で1人少なくなった後に2点を奪って逆転勝ちしている。

 そのあたりは、やはりチーム力の高さが見て取れるし、また何度も優勝を経験してきたチームの勝負強さを感じる。

 いずれ、負傷者が復帰してメンバーがそろってくれば、やはり川崎も首位争いに顔を出してくるはず。まだ、30試合以上が残っている長丁場のリーグ戦。「優勝候補は横浜FMと川崎」であることに間違いはないように思う。

 いずれにしても、昨年の横浜FMや一昨年の川崎フロンターレのような圧倒的なチーム力の差は感じられない。最終的には、この両者が優勝争いを繰り広げるとは思うが、1つひとつの試合をみれば接戦が繰り返されるのではないだろうか。

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