サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、スコットランド人? アイルランド人? いやアルゼンチン人!
■日本との縁
ところで、マカリスターの「ファミリー・ヒストリー」には、私もほんのわずかながら、縁がある。
昨年のワールドカップ前にアルゼンチン代表のチームリストを見て「マカリスター」という名にひっかかった。アルゼンチンには珍しいこの名字をもった選手を、私はひとり知っていたからだ。
1991年の春のことだった。すでに翌年からスタートするJリーグの10クラブが決定し、日本サッカーリーグの最終シーズン(1991/1992)の開幕が数か月後に迫っていた。そんなある日、私はアルゼンチンのブエノスアイレスで物流などいくつかの会社を営む北山朝徳さん(故人)から電話を受けた。
「大住さん、オスバルド・エスクデロという選手を知ってるかね?」
「もちろん。1979年のワールドユースの代表選手ですよね。小さかったけど、マラドーナ、ラモン・ディアスと組んで右ウイングで大活躍しましたよね」
「そのエスクデロが日本に行きたいと言ってるんだ。どこかいいとこないかね?」