■チアゴに続く得点源となるのは?
そのうえで、FW陣全体の奮起も期待される。とりわけ、北川には熱い視線が注がれる。
2018年にJ1で自身初の2ケタ得点となる13ゴールを叩き出し、19年は20節までの出場で7ゴールをマークした。立ち上げ当初の森保ジャパンにも招集され、19年夏にラピド・ウィーン(オーストリア)へ移籍した。
3シーズンぶりの復帰となった昨シーズンは、J1残留につながるゴールを期待された。しかし、ネットを揺らしたのはわずかに1度だった。10試合出場で1ゴールは、かつてのエースストライカーとしては明らかに物足りない。2023年のJ2を、復活ロードの第一章としなければならない。
ディサロも心中期するものはあるだろう。
2020年のJ2で18ゴールを記録し、ギラヴァンツ北九州の躍進を後押しした。清水には翌21年に加入したが、初のJ1挑戦は24試合出場で1ゴールに終わった。20試合が途中出場と、消化不良のシーズンとなった。
22年も開幕からほとんど試合に絡めず、7月にモンテディオ山形へ期限付き移籍した。ここで定位置をつかむと、17試合出場で8ゴールを記録した。6位でのJ1参入プレーオフ進出に貢献し、同1回戦では3位の岡山撃破につながる得点も決めた。プレータイムを与えられれば結果を残せることを、清水でも証明するシーズンとなる。
サッカー界の「二刀流」も、清水から世界を目ざす。日大藤沢高校から加入する森重陽介だ。198センチの長身を誇り、高校ではCFとCBでプレーした。打点の高いヘディングシュートは、J2でも十分に通用する。
森重がメンバー入りすることになれば、11人+7人の控えメンバーにプラス1の価値が生まれる。18歳のレベルアップとその生かしかたも、今シーズンの清水では注目点になりそうだ。
タレントの質と量は、攻守ともにJ1昇格圏にある。水戸ホーリーホックの秋葉忠宏前監督が、コーチとしてスタッフ入りしているのも心強い。
重要なのはシーズンの入りだろう。開幕節は水戸、2節は岡山、3節は長崎、4節は大分トリニータ、5節はジュビロ磐田と、J1昇格候補との直接対決が組まれている。シーズン序盤から勢いをつかみ、ライバルたちに力を見せつけていきたい。