「この試合で1番感動したシーン」開始33分で交代の川崎フロンターレDF登里亨平に、今も止まらぬ称賛の声! 試合終了から1週間も、「こういう選手がいるのも川崎の強さ」の画像
FC東京戦でピッチを去る際の川崎フロンターレDF登里亨平 撮影:中地拓也

 11月11日、Jリーグはツイッターの公式アカウントで最終節のワンシーンの動画をアップした。試合終了から1週間が経つが、感動動画の再生回数は5万回を超え、さらに伸び続けている。

 Jリーグがアップしたのは、川崎フロンターレFC東京の最終節の一場面だった。川崎は、首位の横浜F・マリノスを勝点2差で追っていた。逆転優勝で3連覇を成し遂げるには、まずは勝利することが必須だった。

 敵地に乗り込んでの一戦は、開始19分の脇坂泰斗のゴールで先制に成功する。だが、1点をリードしていた29分、思わぬ事態に襲われる。GKチョン・ソンリョンが退場処分を受けたのだ。カウンターで抜け出てきたアダイウトンに対し、ボックスの外へ飛び出したチョン・ソンリョンが足を引っかけて転ばせる格好になった。主審は迷わず、レッドカードを提示した。

 1点をリードしているとはいえ、実力あるFC東京を相手に勝負の行方を大きく左右するかもしれない展開だった。それでも鬼木達監督は冷静に手を打ち、GK丹野研太をピッチに送り出した。

 一方で、選手も冷静だった。誰よりも目を引いたのが、登里亨平だ。どうしてもピッチに立ってもらわなければならない交代GKの代わりとして、ピッチを去ることになることになった選手だった。

 登里は2009年に香川西高校から川崎に加入。川崎一筋14年目の選手である。優勝への「あと一歩」が出ない時期を知る選手だ。その裏返しであろうか、丹野と交代でピッチを知る際には、両手でサムズアップをして、丹野にエールを送っている。

 交代でベンチに戻る前には、仲間たちに冷静な顔で細かな指示を与えている。その上での最後の仕事が、緊張に包まれながらピッチに入る丹野を、気持ち良く送り出すことだった。登里は丹野に笑顔でハグして、背中をポンポンと叩いてエネルギーを注入している。

 このシーンが改めて公開されるや、感動の声が今も止まらない。

「男前過ぎる」
「この試合で1番感動したシーン」
登里享平 選手の真骨頂!! 退いた後もピッチに向かって、ずっと声をかけ続けていたし、選手や審判に水を渡すのも真っ先に、でした!!」
「そうだ ノボリみたいにカッコイイ大人にならなきゃだ 自分のことばっかりじゃなく、みんなの事を考えて広い視野で」
「鬼木監督も申し訳ない顔してるし優勝かかった試合で前半での交代はめっちゃ悔しいだろうに…」

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