■昨季まではあり得なかった光景

 リーグ戦の終盤で4連勝して横浜FMを追い上げたことを考えても、もしフルメンバーがそろっていたら、あるいは優勝を狙えたかもしれないが、“選手層の厚さ”という面で横浜F・マリノスと差があったという事実は否めない。

 その結果、昨年までの圧倒的な攻撃力は影を潜め、「川崎が得点力不足で悩む」という昨シーズンまでを考えると信じられないような光景もさんざん見かけた。

 せっかく先制ゴールを決めながら、2点目が取れずに同点とされて勝点を失うような試合が多くなってしまった。選手自身も決定力不足で自信が持てなくなり、1点をリードするとゲームをコントロールしようとする傾向が強いということは、先日もこのコラムで指摘したとおりである。

 いずれにしても、川崎がタイトルを取り戻すためには現有戦力のレベルアップと新戦力の獲得が必須条件だ。ベテラン勢が頑張っている間に、次世代の選手を準備できないと川崎の黄金時代は完全に過去ものとなってしまう。

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