■自分も選手も見られる商売
――「夢」を与えるプロとして、大事な点だと思います。
高田 選手たちと直接触れ合う機会はそう多くはないのですが、リーグ開幕前のキックオフカンファレンスで感じたことがひとつあります。各クラブの顔となるスター選手がそろっているのに、すごくおとなしいんです。「アピールポイントは?」と司会者に聞かれて、「いや特にないです」という答えを聞いたときには、もったいないと思いました。せっかくクラブの代表として来ているんだから、もっと発信してほしいなと思いました。
――プロとして重要なことですね。
高田 私自身の話ですが、クラブの社長になったとき、外に出て発信する機会が予想以上に多くなり、最初は戸惑いました。実は、私はけっこう人見知りなんですが、クラブの社長という立場になると、自分の評価がクラブに対する評価になるという意識が生まれ、変わらざるをえませんでした。世の中には「私なんて」と思っている女性が多いのではないかと思います。謙虚さはいいのですが、仕事の現場では「私なんて」と思うことによって女性が社長をやるということを自分で否定してはいけない。そのポジションに女性がいるのはおかしなことではないということを証明するためにも、あえて自信のなさは消さなくてはならない。「見られる商売」でもあるのですから、選手たちもそういう意識がどんどん出てきたらいいなと思います。WEリーグの選手たちは、世界に出て戦う選手でもあるのですから。
――本当にそのとおりだと思います。
高田 WEリーグのことについて、私は本当に何もわかっていません。ですからいろいろな方からアドバイスをいただけたらと思っています。そうしたアドバイスを聞いて、一つひとつ改善していきたいと思っていますし、リーグの可能性を信じて、すべてのステークホルダーの方といっしょにやらせていただきたいと考えています。私自身がわからないからこそ、いまからWEリーグを好きになる人がどうやったら心が動くのかっていう感覚がわかるのではないかと思っているんですよ。
――ありがとうございました。WEリーグの2022/23シーズンが明るい希望に満ちた実りの多いシーズンになることを期待しています。