「できる女性を正当に評価する社会につながるモデルになる」【新シーズンスタートのWEリーグ「高田春奈チェア」インタビュー】(3)の画像
WEリーグと女子サッカーの発展、そして女性躍進の社会の実現を目指す高田チェア 撮影/サッカー批評編集部

 日本に初めて誕生したサッカーリーグがある。女子プロ選手によりWEリーグである。10月には2シーズン目となる2022/23シーズンが開幕した。日本サッカーの発展のために大きな期待がかかるWEリーグの高田春奈チェア(※「高」の文字は正しくは、はしごだか。以下、略)に、サッカージャーナリスト・大住良之が話を聞いた。

■女性が活躍できる社会に

――話題を少し変えます。WEリーグの理念のひとつである女性活躍社会の推進について、お考えになっていることはありますか。

「私自身、まず自分のなかで、なぜ女子サッカーを強くすることが女性活躍社会につながるのかというストーリーを納得したかった。いろいろ考えて、このWEリーグを、Jリーグや男子サッカーに負けない価値があると世の中に認めてもらえれば、本当にできる女性を正当に評価してくれる社会につながるひとつのモデルになるのではないかと考えるようになり、この仕事をやろう、やってみたいという強い気持ちが沸いてきたんです」

――なるほど。

高田 女性の選手たちの待遇を上げたい。そのためにはスポンサードしてくれる人が必要だから、私たちは、女性活躍を推進するためにこんなことをやっていきますということをきちんと示して、企業の方たちにも応援しようと思っていただいて、投資してもらったものをきちんと選手たちに還元するという流れができたらいいと思っています。

――高田さんご自身は、社会の第一線で活躍されている日本女性のシンボルのおひとりという存在だと思うのですが、その髙田さんから見ても、日本は女性が力を発揮できるという点でまだまだという感覚なのでしょうか。

高田 本当に幸せなことに、私はそうしたことをあまり意識せずに仕事をしてきました。ただ、人事の担当で採用をやっていたときに本当に優秀な女性をたくさん見てきました。男女を考えずに採用すると、新卒の7割が女性になってしまうということを経験してきました。たしかに出産などライフイベントがあって休まなければならない時期もあると思いますが、女性には優秀な人材がたくさんいると思っています。だから私としては、ルールで男女の割合を決めるようなことではなく、思い込みや先入観を捨てれば、自然な形で優秀な女性たちが私たちの組織で活躍してもらえるようになるのではないかと思っています。男女などを問わずにお互いをリスペクトし、みんなが幸せだなって感じられる社会にしたいし、サッカーはその重要な手段だと思っています。

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