【浦和レッズ】ユンカー、リンセンの「2トップ起用」でボール保持に固執せず。大久保智明と小泉佳穂が良さを見せて「公式戦6試合ぶり勝利」の画像
浦和レッズのキャスパー・ユンカー 撮影:中地拓也

■10月8日/明治安田生命J1リーグ第32節 浦和レッズ 2―1 サガン鳥栖 (埼スタ)

 公式戦5試合勝利のなかった浦和レッズが長いトンネルを抜けた。

 この試合で大きな注目を浴びていたのはキャスパー・ユンカーとブライアン・リンセンの同時起用だ。前節のサンフレッチェ広島戦ではこの2人を途中投入して最前線に配置していたが、今回はスタートから並べていた。

 ゲームでは鳥栖が複雑な配置でポゼッションしながら攻めてくるのに対して、浦和はボール保持にこだわらず、奪ったときのアクションは基本的に統一。2トップのユンカーとリンセンに預けてラインを押し上げるか、もしくはその2人を起点とした速攻である。実際、チームは最初の15分間ですでに鋭いカウンターを何度か発動していた。

 またプレッシングの際、4-4-2における左SHの位置から最前線に飛び出し、タイミングよく制限をかけていた小泉佳穂の立ち位置と寄せが秀逸だったことは特筆すべき点だろう。

 一方、ボールを持ったときには酒井宏樹岩波拓也、アレクサンダー・ショルツの3枚を後方に配置。これまでのように岩尾憲がCB間に下りてくることはなかったが、リカルド・ロドリゲス監督はその理由について「鳥栖は切り替えのスピードが早くて下りる時間がない」と話した。

 また、いつもと異なった位置と役割を担当し、違いを見せていたのが大久保智明だ。内側に移動するのではなく、今回はスタートポジションの右サイドが定位置。ビルドアップ関与よりも大外からのカットインや酒井宏樹たちとのコンビネーションで崩しの一端を担うことが多かった。

 するとその大久保の突破から浦和が先制する。前半40分、岩尾からのロングパスを受けた背番号21はタッチライン際での岩崎悠人との1対1を制してゴール付近まで侵入。そこからマイナス方向へパスを出し、これにユンカーが合わせてネットを揺らした。

 浦和はこのリードを守りって、1-0で試合を折り返している。

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