■後半から変わった試合の流れ

 後半に入ると全北はグスタボも投入して前半より積極的に前に出てきたが、先制点は神戸に生まれた。左CKからの攻撃で、最後は至近距離からの尾崎優成のシュートを全北のGKイ・ボムスが弾いたところを交代で入ったばかりの汰木康也が決めたのだ。

 ここまで優勢に試合を進めてきた神戸が、交代選手の活躍によってリードしたのだ。神戸有利の状況が生まれたはずだった。

 ところが、神戸は先制ゴールからわずか2分後に同点とされてしまう。

 ボール近辺に多くの選手が集まってしまい、その密集からグスタボが抜け出した瞬間に左サイドではマドウ・バロウがフリーで抜け出しており、グスタボからのボールを受けたバロウが難なく決めた。

 そして、その後は疲労によって足が止まり始めた神戸がセカンドボールを拾えなくなり、全北の攻撃を受け続ける展開となり、延長前半の104分に左サイドでフリーになったバロウが上げたクロスに対してグスタボが高い打点からのヘディングシュートを決めて全北がリード。延長後半にもさらに1点を追加して全北の勝利が決まった。

 先制点を奪った直後、追加点を取りに行くのか、ゲームを落ち着かせるのかをはっきりさせられなかったことで同点ゴールを許してしまったのだ。神戸のゲーム運びの拙さが最大の敗因だった。

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