Jリーグ勢が見せたレベルの高さ

 神戸と横浜の試合は、本当にハイレベルでエキサイティングな攻防だった。なにしろ、シュート数が神戸の18本に対して横浜が19本。合わせて40本近いシュートが飛び交ったのだ。

 内容的にも互いに非常に高いプレー強度を90分間維持してプレッシャーを掛け合う激しい展開で、ひとたびボールを奪うとその瞬間に周囲の選手がいっせいに反応して動き出して攻撃に移り、守備的なポジションの選手も躊躇せずに攻撃に飛び出していった。

 神戸では右サイドに入った飯野七聖が精力的な動きを見せ、トップの大迫勇也もしっかりとボールを収めて起点を作り、さらに左サイドの汰木康也も勝手知ったる埼玉スタジアムでドリブルで切れ込んでくるなど、それぞれが特徴をしっかりと発揮することもできていた。そして、中盤では山口蛍がミドルレンジのパスを駆使してゲームを作った。

「失うもののない状態」の神戸が思い切ったアグレッシブな試合をしたのに対して、リーグ戦首位の横浜はどうしても精神的に受け身に回ってしまったようで、その分プレー強度が落ちてしまった。そして、リードされた状態が続いたことによって今度は焦りが生じて、1人で強引に突破を狙う形となってしまった。

(2)へ続く
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