■日本のサッカーを変質させた力

 だが、浦和のサポーターの歌声はまったく変わらなかった。それどころか、パワーアップしているように感じられた。それぞれのサポーターは前後左右が空いていても一体感は変わらず、歌声はスタンドに響き、まるでナイアガラの滝のようにピッチ上に降り注いだ。そのパワーはスタジアムを席巻した。これがサポーターだ。この力が、Jリーグにそれまでのサッカーとはまったく異質なものをもたらしたものなのだ。

 リーダーがいるとはいえ、数千人の人間がどうしてあれほどぴたりと声を合わせて歌うことができるのだろう。そして声を合わせて歌われた歌が、どうしてあれほど心を揺さぶるのだろう。それをあらためて考えさせる歌声だった。

(2)へ続く
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