■本当に遠くなった「コロナ前」
9000人のサポーター。おそらくその7割から8割が北側のゴール裏スタンドにはいっていたのではないだろうか。試合はJリーグの「声出し応援に関するガイドライン(STEP3)」に基づいて行われ、前後左右に1席ずつ空ける形。空席にはクラブカラーのシートやフラッグが置かれ、よく注意しないと全席が埋まっているように見えた。
そして声援が始まる。4月にタイで行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージでは、浦和からかけつけた少数のサポーターが声の限りに応援し、リカルド・ロドリゲス監督やチームを勇気づけた。しかし国内では、2020年の開幕節(湘南ベルマーレとのアウェー戦、3-2で浦和が勝利)以来の「レッズ・サポーター」の歌声。ホームの埼玉スタジアムでの声援は、2019年12月7日、この年のJ1最終節、ガンバ大阪戦以来ということになる。
この2019年のG大阪戦は入場者4万7188人。シーズンの後半では最多記録だった。だが浦和は2-3で敗戦。勝ち点37で14位。降格は逃れたが、J2との「J1参入プレーオフ」に出場してかろうじて1-1で引き分け、残留を決めた16位湘南ベルマーレとの勝ち点差は、わずか1だった。浦和の得点者は柏木陽介とファブリシオ。監督は大槻毅。「コロナ前」は、本当に遠くなった。本当に時代は変わったのだ。