■土壇場でVARも味方せず

 次第に強まる雨は試合の温度を下げるかに思われたが、訪れたのはまさかの失点だった。89分、川崎の右サイドから入れられたクロスを、中央にいたアダム・タガートに押し込まれたのだ。VARを経て認められた得点は試合をイーブンとするもので、土壇場で白星を掴みそこねるものだった。

 そのまま試合終了を告げるホイッスルが鳴り響くと、濡れるピッチに倒れ込んで起き上がれない川崎の選手がいた。それほどの激戦と疲労で、その姿を見た鬼木達監督は「だからこそ、自分が勝たせてあげたかった」と悔しがった

 白星を逃したとはいえ、アウェイゴールが適用される大会で1-1で折り返したことで、次戦は優位な状況で戦える。8月10日の第2戦までに、戻ってくる選手もいるはずだ。昨季手にできなかったこのタイトルを手にするために、次こそは勝利を掴む。

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