【J2「3強盤石」】3位・ベガルタ仙台、いわてグルージャ盛岡との「東北ダービー」で「13年ぶり」5発大勝!「J2通算200勝」達成に原崎政人監督が語った「未来への使命感」【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
原崎政人監督(仙台)   撮影/中地拓也

■仙台は交代出場の2選手が決定的な仕事を

 ベガルタ仙台が、攻撃力を爆発させた。

 7月16日に行なわれたJ2リーグ第27節で、仙台はいわてグルージャ盛岡と対戦した。敵地いわぎんスタジアムがベガルタゴールドに染められなかで(岩手にとっては今シーズン及び歴代最多の観客動員となった)、ゴールネットを揺らしていく。

 まずは29分、FW中山仁斗が先制点をゲットする。MF中島元彦のワンタッチパスに反応し、GKとDFラインの間に落下したボールをヘディングでプッシュする。GKの頭上を破った一撃が、ゴールネットに吸い込まれていった。

 2試合ぶりの先発となった中島のアシストは、岩手守備陣の意表を突くものだっただろう。中山の動き出しからフィニッシュにも迷いがなかった。背番号9はシーズン8得点目だ。

 仙台は1対0で折り返した後半に、ミスから失点を献上する。自陣左サイドで氣田亮真が斜め後方へパスを送ると、味方選手につながらず相手FWに拾われてしまう。前を向いたモレラトが、ミドルレンジから豪快な左足ミドルを突き刺した。

 同点となった直後の56分、岩手の秋田豊監督が2枚替えをする。仙台の原崎政人監督も62分に名倉巧富樫敬真を送り込む。果たして、ここ数試合スタメンから外れているふたりが、決定的な仕事をするのだ。

 64分だった。右サイドでパスを受けた名倉が、利き足ではない右足を振り抜く。「試合前からシュートを意識していて、気づいたら中も見ずに足を振り抜いていた」と本人が振り返ったように、思いきりの良い一撃が相手GKの頭上を破った。シュートの瞬間に軸足を滑らせているのだが、それでも枠を捕らえてきたことで、GKからするとタイミングを取りにくかっただろう。

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