■激戦の左サイドバックに杉岡が挑む
この23歳は東京五輪世代の左サイドバックとして、2019年のコパ・アメリカに招集された。20年には湘南から鹿島アントラーズへステップアップしたが、定位置を確保できずに苦しむこととなる。東京五輪の代表入りを逃した21年8月に、湘南へ帰還した。
復帰後は3バックの左センターバックと左ウイングバックを主戦場に、確実にプレータイムを伸ばしている。ゲーム感覚さえ取り戻せば、激しい対人プレーやダイナミックな攻撃参加といった持ち味を発揮できる。招集に驚きはない。
左サイドバックは長友、中山雄太、伊藤洋輝の3人が争っている。人材が手薄はポジションではない。杉岡が代表に食い込むのは難しいが、先行する3人と同じように複数ポジションに対応できる。4バックの左サイドバックは湘南と違う役割だが、だからこそポリバレントさをアピールする好機だ。
ここまでの選手起用から判断すると、森保監督のなかでは18人から20人あたりまでメンバーが固まっていると見ていい。ただ、今回は登録メンバーが23人から26人に増えている。いつもならギリギリでカットされた立場の選手が、今回はメンバー入りできる可能性があるのだ。
J1リーグは7月17日まで行なわれ、その2日後にはE-1選手権の第1戦が行なわれる。ホーム開催とはいえ十分な準備期間が確保されているわけではなく、むしろぶっつけ本番の戦いとなる。
そのなかで、きらめきを放つのは誰なのか。11月のカタールW杯開幕を前に、国内組にとってのサバイバルが繰り広げられる。