■樋口は日本代表ではIHで起用か

 樋口雄太も鹿島から日本代表に招集してほしい選手の一人だ。流れを見極めてゲームを組み立てる能力が高い樋口は、司令塔という言葉がとにかく似合う。鹿島ではボランチの位置でゲームを作りながら、いざという時はゴール前まで飛び込んでチャンスメイクに参加し、さらには自らゴールを奪うこともできる。強烈なミドルシュートもあり、少し離れた位置からでもゴールを狙える。

 今季からサガン鳥栖から加入となった樋口だが、常勝軍団・鹿島で主力に定着。ここまで公式戦26試合に出場2得点10アシストを記録している。シーズン中盤ですでにアシスト数を二桁に乗せている事実を見れば、樋口がいかにチャンスメイクが得意かが一目瞭然。7月2日に行われたJ1リーグ第19節柏レイソル戦ではCKから正確無比なキックでキム・ミンテの移籍後初ゴールをアシストした。樋口は、セットプレー時の新たなキッカー役となる可能性も秘めている。

 樋口を4-3-3に当てはめるとすれば、IHが有力だろう。あるいは、新たなアンカー像を構築できるかもしれない。そう考えると、日の丸の中盤で発揮しそうなユーティリティさは武器になる。

三竿健斗 撮影/原壮史

 今季の鹿島で新境地を開拓しているのが三竿健斗だ。本来のポジションはボランチながら、今期はCBで出場を重ねている。もともと守備にも定評のある三竿は、1対1の守備で勝つことを求められる鹿島でさらに対人が強くなったようにも見られる。ピトゥカと樋口のコンビが中盤の底で躍動する今期の鹿島で、三竿は1列ポジションを下げることとなった。すると、最終ラインで対人の激しさとともにボールの配給役としても機能している。

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