日本代表の6月シリーズが終了した。4試合を戦い、2勝2敗。星勘定は五分だが、その中には課題や収穫など、たくさんの要素が詰まっていた。11月のワールドカップに向けて、この4試合をどう活かしていくのか。ベテランジャーナリストの大住良之と後藤健生が徹底的に語り合った。
■空回りした三笘
――選手をセットにしての交代策が効果がありそうだとのことでしたが、面白そうなセットはありましたか。
後藤「ガーナ戦の山根視来のゴールも、堂安と久保との連係から生まれていたね。あのコンビネーションは、このシリーズで久保が唯一輝いた場面だったかな。ガーナ戦では久保自身の得点もあったけど、あれは半分以上、三笘薫のおかげ、というものだったし。ところで、あの場面での三笘のドリブルはすごかったよね。相手を抜いてから、体より後ろに残った右足でパスを出しているじゃない。誰も何も言わないけど、あのプレーはすごいよ」
大住「三笘は不思議なプレーヤーだから、不思議なことをやっても不思議じゃない。三笘はチュニジア戦でも2、3回相手を抜いたけど、その後は空回りだったでしょ。堂安と久保に至っては、本当にエネルギーの無駄遣いというか。彼らの力を存分に発揮できるように、ユニットとして準備すべきだと思うよね。投入時間が少しずれても、FWの第1セット、第2セットとして送り込めば、最後までまとまった攻撃ができると思うんだけど。チュニジア戦の終盤は、ゴリ押しするだけで全然まとまってなかったもんね。もったいないよ。ユニットごとに組んで練習する時間はあると思うんだよね」