■アヤックスで13年間活躍した白井インディビデュアルコーチを招聘した理由

 今季、クラブは白井裕之インディビデュアルコーチ(※4)を招聘。分析担当者を増員した今年度のスタッフィングからは、サッカーをより理論的に捉えようとしているのではないかと推察できる。それが欧州のあとを追うことにどう関係し、どのようにチームづくりの役に立っていくのかが気にかかる。

(※4 24歳でオランダに渡り複数のアマチュアクラブの監督を務める。2011-2012シーズンからAFCアヤックスのアマチュアチームにアシスタントコーチ、ゲーム・ビデオ分析担当者として入団。2013-2014シーズンからアヤックス育成アカデミーのユース年代の専属アナリストを務める。2016年10月からはオランダ代表U-13、U-14、U-15の専属アナリストも務めた)

「サッカーのマーケットはヨーロッパを中心に動いているので、ヨーロッパのトップトップのクラブの水準に向かって自分たちもチャレンジしていかないといけない。特別なことをやっているというよりは、スタンダードなことだと思っています。

 日本でヨーロッパのエッセンスがけっこう入っているクラブ、マリノスさんや神戸さんは我々より分析のリソースは多いと思いますし、まだまだ全然足りない。白井さんとは直接的なご縁はなかったんですけど、数年前から個人的にはずっと注目していました。

 アヤックスというクラブで13年間も学ばれていますし、サッカー界に貢献できるものをたくさん持っているはずだと。そういった方に、伝統の継承の上に積み重なる部分の経験とか知見で手伝ってほしいというのが、彼に声を掛けさせて頂いたいちばんの狙いですね。すごく貴重な戦力だと思っています」

東慶悟選手と白井裕之コーチ  撮影/後藤勝
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