近年のJリーグでは、スペイン人監督が増えている。J1のビッグクラブであるFC東京と浦和レッズも、今季はスペイン人監督に率いられているが、その手法はまったく別なものである。2人のチームづくりをサッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■会見後に放った一言
5月8日のJ1リーグ第12節。サガン鳥栖は、81分のFKの場面で堀米勇輝がコースを狙った見事なキックを決めてFC東京相手に勝利した。その試合後の記者会見に臨んだ“敗軍の将”アルベル・プッチ監督は、会見を終えてからわざわざ立ち止まって「今シーズンは結果的に敗れてもあまり批判しないでください。来年は批判してもらっていいから」と言い残して立ち去った。
「サッカーでは理不尽な原因で敗れることもある。今日の試合は結果は敗れたが、内容的には成長が見られたしチャンスも作れていた」とポジティブに評価していたようである。
12試合を終了して6位に付けてはいるものの、FC東京は5勝3分4敗と苦しんでいる。5月3日に行われた第11節ではアビスパ福岡に1対5と大敗してしまったばかりである。