【J2「大逆転劇」】J3降格圏に沈む大宮、2点ビハインドを跳ね返すキッカケは「42歳大ベテラン守護神」GK南雄太のビッグセーブ!NACK5スタジアム大宮の熱気が後押しした「劇的逆転弾」!!【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
南雄太(大宮)   写真:アフロスポーツ

■守護神・南のPKストップで流れが変わる

 5連戦の2試合目となったミッドウィークのナイトゲームで、もっとも大きな興奮に包まれたのはNACK5スタジアム大宮だっただろう。ホームの大宮アルディージャが、ザスパクサツ群馬からドラマティックな勝利をつかんだからだ。

 1勝3分7敗で21位に沈んでいた大宮は、開始早々にビハインドを背負う。ペナルティエリア外にも見えた接触プレーが反則となり、PKを献上してしまうのだ。古巣対戦となる岩上祐三に決められ、いきなり追いかける立場となる。

 27分には2点目を奪われる。CBのクリアが相手選手の足元にピタリと収まり、そのままゴール前へ侵入されて難なく押し込まれた。勝利に恵まれていないチームは、小さな不運が失点につながってしまう。

 前半のうちに0対2とされるのは、前節のモンテディオ山形戦と同じである。しばしば不安定と言われるスコアも、現在の大宮にとっては鉄の扉のように重い。過去11試合で10得点にとどまる攻撃陣は、1試合3得点を記録したことがないのだ。

 すでに追い詰められているチームを、さらなる試練が襲う。31分に2度目のPKを献上してしまうのだ。またしても微妙な判定だったが、だからといって覆ることはない。再び岩上がペナルティスポットへ向かう。

 判定に対する不満が立ち込めるスタジアムに、悲しい予感が漂う。数秒後には絶望が広がるかもしれなかったそのとき、GK南雄太がチームを救った。1本目と同じ右スミを狙ってきた一撃を、鮮やかにストップしたのだ。

 大宮の霜田正浩監督は、「雄太が流れをこちらに戻してくれた」と、42歳の守護神のビッグセーブを讃えた。前半が0対2で終了するのは前節と同じでも、後半へ向かっていくチームの空気は明らかに違っていた。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4