サッカー日本代表は、7大会連続となるワールドカップ出場権を獲得した。これからは本大会に向けてメンバーの選考が進むことになるが、これは単なる「絞り込み」を意味するわけではない。これからオーディションに参加する選手がいても、おかしくはないのだ。新たな候補となり得るタレントたちを、サッカージャーナリスト・大住良之が推薦する。
■日本の「世界一」への貢献者
そして第3の候補は、浦和レッズの「マルチタスクプレーヤー」明本考浩である。昨年J2の栃木SCから浦和に移籍し、最初は左サイドMF、次いでトップ下、ワントップ、さらには左サイドバックとして起用され、どのポジションでもタフに働いて欠くことのできない存在となった。
1998年1月31日栃木県生まれの24歳。小学生時代から栃木SCのアカデミーでプレーし、国士舘大学を経て2020年にJ2の栃木SCでプロ契約。1年目からFWとして圧倒的な力を見せ、プロ2年目にJ1の浦和に移った。身長170センチと大きくはないが、強靱な肉体の持ち主で、一対一の競り合いに強く、また、試合の終盤になっても動きが落ちない超人的なスタミナももつ。ヘディングの強さも大きな武器だ。
これまでに年代別代表の経歴はない。しかし大学4年のときにナポリ(イタリア)で開催されたユニバーシアードの日本代表に選ばれ、MFとして優勝に貢献した。このチームには、3月に日本代表で活躍した三笘薫、上田綺世、旗手怜央などそうそうたるアタッカーが並んでおり、明本は大学でもプレーしていたボランチだった。