■「右で作って左で決める」は正しいか?
一方、日本の左サイドはまだ形が確立できていない。
左サイドハーフには南野拓実が起用され続けているが、彼の才能が十分に発揮されているとは思えない。そして、長友佑都のオーバーラップと南野の関係性も希薄だった。
今回の最終予選を通じて、長友のサイドから崩されることが多かった。その原因として、長友の年齢的な衰えも指摘された。もちろん、昔だったらスピードでカバーできていたはずのところで戻り切れない場面もある。
だが、長友のサイドでピンチが多いというのは、攻撃としてうまく機能せず、長友が無理をして単騎で切り込まざるを得ないからでもある。
オーストラリア戦で、日本は右サイドで攻撃の形を作り、左の南野は中央でパスを受けてシュートを撃つ場面が多かった。
現状を考えれば「右で作って左サイドの選手が決める」という選択は正しいのかもしれない。だが、南野はかつてほどの得点感覚が戻っていない。オーストラリア戦でもクロスバーに嫌われる場面もあったが、結局、何度かの決定機に南野は決められなかった。
左サイドからゴール前に走り込んで決めるという役割であれば、南野ではなく前田大然の方が適性が高いかもしれない。
「左サイドをどうするのか」。これは、11月までの強化試合で多くのオプションを試してみる必要があるのではないだろうか。