山根視来が台頭した右サイドに比して不安が残る「狙われた」左サイド【ワールドカップ予選最終戦の活用は、日本代表の本大会への「第一歩」】(3)の画像
山根が右サイドでは新たな可能性を示した 撮影/渡辺航滋(Sony α1使用)

 サッカー日本代表は7大会連続のワールドカップ出場を決めた。苦戦した時期もあったが、終わってみれば1試合を残しての予選突破となった。
 早くも、視線は本大会へと切り替えなければならない。その第一歩となる29日のベトナム代表戦の活用法をサッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■クラブでの良さを持ち込んだ山根

 オーストラリア戦で素晴らしかったのは右サイドの攻撃だった。

 この最終予選を通じて、右サイドハーフの伊東純也は日本の攻撃の中心であり続けた。そして、オーストラリア戦では伊東は単に積極的にドリブルをしかけるだけでなく、これまで以上に中央に入ってシュートを狙ったり、外に開いたりと変化のあるプレーを見せた。

 そして、その伊東の動きに呼応したのが、酒井宏樹に代わって右サイドバックに入った山根視来だった。伊東が中に入ればタッチライン沿いをオーバーラップ。伊東が外に開けば、中のレーンを攻め上がりと2人のコンビネーションは時間とともに上がって行った。

 山根は川崎フロンターレでは家長昭博と組んで戦っている。家長と伊東はまったくタイプの違う選手ではあるが、サイドハーフの動きに合わせて攻撃参加に変化を加えるという意味では、オーストラリア戦での山根は川崎での(家長との)プレーに近いイメージでプレーできていたのではないだろうか。

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