そして、南アフリカ大会終了後に日本代表監督に就任したアルベルト・ザッケローニ監督は基本的には南アフリカ大会のメンバー構成をそのまま引き継いで、翌2011年のアジアカップを制覇。「新陳代謝」を繰り返しながら2014年のブラジル大会に参加。その後に就任したハビエル・アギーレ監督も、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も極端なメンバー変更は行わずにチーム作りを進めていった。
■「ラージグループ」の恩恵
2018年のロシア大会直前にハリルホジッチ監督は解任されたが、本大会までに準備期間がまったくなかったため、後任の西野朗監督もハリルホジッチ監督時代のメンバーをそのまま踏襲。さらに、後任の森保監督は西野監督の下でコーチとしてワールドカップを戦っていたのだからチームの“流れ”を引き継いだ。
もっとも、フル代表の監督に就任した直後の2018年秋には、森保監督は多くの新戦力を起用。さらにオリンピック代表監督も兼任していたため、森保監督の下には非常に大人数の「ラージグループ」が形成された。この「ラージグループ」が存在するため、選手の離脱があってもバックアップ要員に事欠かないのが現在の日本代表の強みとなっているのだ(たとえば、吉田と冨安が離脱した時に起用された板倉は、フル代表ではあまりプレー経験がなかったが、オリンピックでは守備の中心として全試合でプレーしていた)。