■2012年の敗退を知る唯一の選手
クラブと同時に、個人でもすべてのトロフィーを手に入れた選手がいる。
右サイドでプレーしたアスピリクエタだ。
この試合では前半からマンマークで対応され、ボールを受ける時点から苦労させられた。チームがリスクマネジメント最優先の戦い方を採る中で大きく動くこともできず、我慢し続ける試合になったが、最後の最後で積極性を発揮してシュートを放ったことが勝利を引き寄せることになった。
現在のチームにおいて、彼は2012年の敗退を知る唯一の選手だ。当時の決勝では10分に満たないプレー時間だったが、この試合ではキャプテンとしてフル出場。今シーズンでの契約満了が濃厚とされている中、チェルシーで獲得可能な全てのタイトルを手にした初の選手となった。
普段は決してヒーローになるタイプのプレーヤーではない。しかし、鉄人として試合に出続けていることや、この試合でPKの場面でハヴェルツにボールを手渡したように、記録に残らないところでもチームを支えてきたその貢献度が計り知れないことをサポーターは知っている。
キャプテンとしてトロフィーを掲げた瞬間、彼は主役としてクラブの歴史にその姿を焼き付け、真のレジェンドとして記録にも記憶にも残り続ける選手になった。
■試合結果
チェルシー 2―1 パルメイラス
■得点
55分 ロメル・ルカク(チェルシー)
64分 ハファエウ・ヴェイガ(パルメイラス)
117分 カイ・ハヴェルツ(チェルシー)