【サッカー日本代表2-0完勝】「前半シュート0本」急造チーム・中国代表を“戦意喪失”させた「右サイド圧巻の支配力」SB酒井宏樹の「5本の危険なタテパス」!の画像
酒井宏樹   撮影/中地拓也
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 気温6.8℃。寒風吹き荒む埼玉スタジアム、体感温度はもっとはるかに低いものだった。試合開始前の両チームのアップ。日本側の右サイドでは、酒井宏樹伊東純也がコンビを組み、パス交換をしながら、ゴール前に飛び込む坊主頭のFW前田大然に向けて、何度もセンタリングを上げていた。酒井からのタテパスを伊藤がダイレクトで、伊東の落としを酒井がアーリークロスで――2人の息は、遠目からでもなんとも合っているように見えた。

 1月27日、FIFAワールドカップカタール2022アジア最終予選グループB第7節、サッカー日本代表は、中国代表をホームに迎えた。結果は2-0で日本代表の完勝だった。前半13分のFW大迫勇也のPKによるゴール、そして後半16分の伊東の豪快なヘッドによる追加点で、日本代表は危なげなく勝利を収めた。

 中国代表は、昨年12月に監督が変わったばかり。候補選手を多く集め、合宿を行なったとも報じられていたが、急造チームであることは明白だった。この日、中国代表は、昨年9月8日に行なわれた試合とは違って、5バックから4バックに変更して臨んできていた。この日の試合、中国代表はシュート2本に終わるのだが、それは後半に記録したもの。前半はシュートを1本も打てず、それどころかハーフウェーラインを超えて、日本の陣地に入ることすらままならなかった。

 試合後、中国代表の李霄鵬監督は「日本の弱点として、サイドから攻撃するチャンスができるかと思っていた」と明かしたが、日本代表の厳しいプレスによりそれができなかったと話していた。そして、そのサイドを制圧したのは、日本代表の特に右サイド、酒井と伊東のコンビだった。伊東の快速ドリブルも日本の右サイドの強みだが、この日の前半目立ったのは、伊東の相手の裏を取る動きからの、酒井のタテパス。中国からしてみればあまりにも“危険なタテパス”が、急造4バックの隙を突きまくったのだ。

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