■試合をコントロールした岡田主審

 ダマスカスでのシリア対イラン戦はいかにも真剣勝負らしいヒリヒリとした雰囲気の素晴らしい試合でした。イランは初戦のモルディブ戦で17ゴールを決めて大勝しており(当時の、ワールドカップ予選としての最高得点記録でした)、得失点差で大きくリードしていたのでアウェーのシリア戦は引き分けでもよいので、慎重な試合運び。一方、ホームで勝たなければいけないシリアが攻撃を続けました。しかし、64分、イランはカリム・バゲリが持ち込んでアリ・ダエイが決め、個人能力を生かして先制。そのまま1対0で逃げ切りました。

 この試合の主審は日本の岡田正義さんでしたが、選手が倒れてもすぐには笛を吹かずに試合を続けさせる非常に積極的な姿勢でゲームをコントロールしました。選手たちも、初めのうちは笛を求めて不服そうな顔をしていましたが、次第に岡田さんの笛の基準に納得して激しく、しかし、とてもフェアな試合を繰り広げました。

 シリア・ラウンドが終わると、すぐに場所をイランの首都テヘランに移して第2ラウンドが行われます。そこで、僕もテヘラン行きの航空券を手配するために国営シリア航空本社のオフィスを尋ねました。

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