■新リーグ誕生で生まれた問題
皇后杯の準々決勝に進出した8チームのうち、WEリーグが6チームを占めるのだが、それ以外の2チームはそれぞれWEリーグ勢を破ったUー18の日テレ・東京ヴェルディ・メニーナと平均年齢17歳台のC大阪堺ということになったのだ。
女子サッカーで、若い世代が順調に育っていることを如実に示す結果と言っていいだろう。
そうした素材を成長させるのが、WEリーグの役割だ。
強い者同士が対戦して切磋琢磨することこそ、教科の王道のはずなのだが、WEリーグでは上位チームと下位チームとの差が大きい(もちろん、プロリーグ発足に伴って下位チームが勝負にこだわるようになったため、番狂わせが増えてはいるが)。
とすれば、強豪チームがWEリーグとなでしこリーグに分かれてしまっていることは残念なことだ。
WEリーグ加盟は、戦力だけでは実現できない。しかし、WEリーグの上位、下位の戦力さが大きすぎるという状況を考えれば、WEリーグ入りしなかったなでしこリーグ上位チームとWEリーグ勢との対戦機会も増やしていくべきではないのか……。
若い選手たちが育ちつつあることが明らかになった今だからこそ、女子サッカー界の構造を再考すべき時期なのではないだろうか。