■「究極の育成クラブ」が挙げた金星
さて、メニーナの大金星のほかにも、この4回戦では「なでしこリーグ」のチームがWEリーグ勢を破った試合があった。セレッソ大阪堺レディース(なでしこリーグ3位)がノジマステラ神奈川相模原(WEリーグ10位)を破った試合だ。
WEリーグの発足によってベレーザや浦和レッドダイヤモンズ・レディース、I神戸といった上位陣がWEリーグに参加したことで、「なでしこリーグ」(日本女子サッカーリーグ)は実質的に2部リーグ的な存在となってしまった。しかし、上位チームがそろって抜けてしまったにも関わらず、今シーズンのなでしこリーグは予想以上にレベルの高い試合をしていた。
C大阪堺は、昨年のなでしこリーグで4位に入ったチームだが、WEリーグには参入しなかった(昨年のなでしこリーグの1位から8位までのチームのうち、WEリーグに移らなかったのはC大阪堺だけだ)。
WEリーグに加入しなかったこともあって、昨シーズンのC大阪堺の主力はほとんどが他のクラブに移籍してしまった。
昨シーズンのメンバーのうち、林穂乃香はスウェーデンのAIKストックホルムに、そして宝田沙織はアメリカのワシントン・スピリットに移籍。浜野まいかはI神戸、北村菜々美はベレーザに移ってWEリーグで活躍している。そのうち、林と宝田、北村の3人は東京オリンピックでもメンバー入りを果たした。
昨年の主力の多くが抜けたため、今シーズンもC大阪堺は平均年齢17歳台という若いメンバーで戦っている。それが、“究極の育成クラブ”を目指すC大阪堺の姿なのである。