■後半25分に投入した久保建英が最後の手……
左サイドバックで先発した長友佑都は、この時点で無所属である。W杯に3大会連続で出場中の経験者は、最終予選の厳しさを経験している。吉田麻也や大迫勇也とともに、チームの雰囲気を作っていく存在でもある。
しかし、6月11日のセルビア戦を最後に実戦から遠ざかっていた。後半開始早々に決定的なクロスを供給し、自らヘディングシュートを放つなど、意欲的なプレーは見せた。この試合については、存在感を発揮した場面があった。
いずれにしても、森保監督は信頼を寄せる選手を起用した。0対0で試合が推移していくなかで、交代のカードも3枚にとどめた。後半25分の久保の投入を最後に、新たなカードは使わなかった。
使えなかった、と言ったほうがいいかもしれない。攻撃的な交代カードは南野、堂安、久保、古橋の4枚で、コンディション不良の南野を除く3枚を切った時点で、実質的に手は尽きていたのだ。FWは大迫と古橋のふたりしか招集しておらず、オマーンに徹底的にマークされた大迫は、最初からフル出場が決まっていたようなものだったのである。
経験を持った選手を重用し、彼らが封じられる前提での対策に乏しかった。追いかける展開になっても、交代枠を使い切らなかった。オマーンに0対1で敗れたのは、必然だったと言わざるを得ない。