■まさかの新旧「神童」両獲りも!?

 ネイマールのケースは「新興勢力vs伝統的クラブ」という構図だった。いま、時代は「国家クラブvsメガクラブ」というフェーズに移ろうとしている。

 それがムバッペの移籍であり、レアル・マドリードとパリ・サンジェルマンの綱引きだ。

 レアル・マドリードは、ムバッペの獲得に向けて、少しずつ“貯金”してきた。この夏、ラファエル・ヴァランをマンチェスター ・ユナイテッドに、マルティン・ウーデゴールをアーセナルに売却している。その資金でムバッペを獲得しようとしたが、残留が決定して、その額は大半がプールされた。

 次の夏に、ムバッペをフリートランスファーで獲得できた場合、貯められてきた資金は、ほかの補強に回すことが可能になる。例えば、それを「新たなる神童」アーリング・ハーランドの獲得に費やせば、まさかの世界的スターの“両獲り”さえ可能になる。

 ペレスの狙いはまさにそこにあるのだろう。「国家クラブに勝利したクラブ」として歴史に名を残し、なおかつスタープレーヤーの「終着の地」としてレアル・マドリードを再ブランディングするのだ。

 ムバッペの移籍は、マーケットの時期に起こる単なる噂ではない。いくつもの意味を含蓄した、フットボールシーンの重大な出来事になる。

PHOTO GALLERY ■【画像】ムバッペとハーランド加入時のレアル・マドリードの予想布陣
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