■後半45分に大分が同点ゴールを決めるがそれを超えるドラマが
代わった槙野はいきなり直接FKを蹴り、3バックの中央に入る。5バックの形で、しっかり守って1−0で勝利する、というプランを実現させようとした浦和だが、45分にドラマが待っていた。
準決勝につづいて、大分が試合終了間際にまたも劇的なゴールを決めてみせたのだ。
左サイドから、下田が利き足ではない右足で上げたクロスに、ゴール前のペレイラが強烈なヘッドを叩き込む。浦和の5バックで守りきって終わる、というプランを一瞬で崩す一発となり、ゲームは1−1となった。
しかし、この天皇杯の舞台には、さらなるドラマが待っていた。
93分、高く上がったボールを、柴戸がダイレクトボレーで放った強烈なシュートを、ゴール前にいた槙野が最後にヘッドで方向を変え、あまりにも鮮やかなゴール。スタジアム全体を興奮に叩き込んだ槙野はサポーターのもとに駆け寄ったが、ユニフォームを脱いだ槙野の裸の上半身には、キャプテンマークだけが残っていた。
そして、アディショナルタイムの5分は過ぎ、最後の笛が鳴り響く。
浦和レッズが2−1で勝利。
宇賀神はピッチで座りこみ、槙野はロドリゲス監督と抱き合った。