■ボカの会長にインタビュー
その僕が、ブエノスアイレスのフロリダ通りの洋品店に駆け込んでネクタイを買ったことがあります。2001年7月4日のことです。
ワールドユース選手権(現、U20ワールドカップ)がアルゼンチンで開かれていて、スカパー!の中継のために西岡明彦アナウンサーや解説の原博実さん(現、Jリーグ副理事長)と一緒に各会場を回っている最中でした。
ネクタイとワイシャツでそれぞれ9.9ペソ、合計で19.8ペソ(約2000円)でした。美しい紫系のグラデーションのネクタイで、20年経った今でも時々使っています。
なんで、急にネクタイなど買いに走ったのか。それは、翌日、ボカ・ジュニオルズの会長のインタビューができることになったからです(「会長」はスペイン語ではプレジデンテ、PRESIDENTE)。
ボカの会長はマウリシオ・マクリという実業家だそうです。イタリア移民の父が創業した建設会社から発展した財閥の御曹司。国営だった郵政事業が民営化される時に、その権利を獲得したことで話題になっていました(事業はうまくいかなかったようで、後に郵政事業は再び国有化されます)。また、政治的野心も持っているという話も聞いていました。