後藤健生の「蹴球放浪記」第88回「僕がフロリダ通りでネクタイを買ったわけ」の巻(1)「2001年、ワールドユースが開かれていたブエノスアイレスにて」の画像
ボカ対リーベル。スーペルクラシコの取材許可証。ロッカールームにも入れる 提供/後藤健生
■【画像】2001年ワールドユースのチケット。珍しいことに紙製ではない代物

 サッカージャーナリスト・後藤健生は、フリーランスとして自由に生きる。ただし、礼節を忘れることはない。地球の裏側アルゼンチンにおいて、名門クラブのプレジデンテ(会長)を相手にも、自然体かつフォーマルに、インタビューをこなすのであった。

■ネクタイの由来

 スペイン語ではネクタイのことを「コルバータ(CORBATA)」と言います。フランス語の「クラバット(CRAVATE)」から来た言葉なのではないでしょうか?

 16世紀にフランス国王のルイ14世が、クロアチア人傭兵たちが妻や恋人からお守り代わりに贈られたスカーフを首に巻いているのを見て興味を持ち、自分も真似をしたという話が残っています。それで、ルイ14世がそのスカーフを指して「あれは何あるや?」と聞いたところ、家来が勘違いして「あれはクロアチア兵(CRAVATE)でごじゃりまする」と答えたというのです。それで、そのスカーフのことを「クラバット」と呼ぶようになったというのですが、どこまで本当の話かは分かりません。

 いずれにしても、ルイ14世の気まぐれからネクタイというものが流行し(王様が好んだのですから、家来たちも真似をせざるをえません)、その結果として、7世紀後の日本のサラリーマンたちは気温35度の猛暑の中でネクタイに首を絞められて苦しむことになったというわけです。

 幸い、僕はフリーランスですから、サラリーマンのように毎日ネクタイをする必要はありません。というか、最近ではネクタイを締めるのは年間で3、4日くらいしかないのではないでしょうか?

PHOTO GALLERY ■【画像】2001年ワールドユースのチケット。珍しいことに紙製ではない代物
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