■栃木と山口のJ2残留を確定
28日開催の41節を受けて、前節まで勝点45で14位の栃木、勝点42で15位の山口が、J2残留を確定させた。
最終節に残留を賭けて臨むのは、勝点41の群馬、勝点40のツエーゲン金沢、勝点39の大宮アルディージャ、勝点38の相模原、勝点35のギラヴァンツ北九州だ。
北九州はすでにギリギリまで追い込まれている。最終節に勝っても勝点は「38」だ。相模原が負けて勝点差で並ぶことができても、得失点差で劣る可能性が高い。
奇跡的に19位へ浮上することができたとしても、J3の結果次第でのJ2残留となる。J2ライセンスを持たないテゲバジャーロ宮崎が2位以内に入ることで、19位のチームが救われる。そして、こちらの行方も最終節に委ねられることとなった。
小林伸二監督のもとで19年にJ3優勝を成し遂げ、20年にJ2でクラブ最高位の5位へ食い込んだ北九州は、2度目のJ3降格が避けられなくなってきた。
一方、41節で立場を好転させたのは金沢だ。モンテディオ山形との一戦は、1対1のまま後半アディショナルタイムへ突入する。このまま引分けたら勝点は「38」で、相模原と同勝点ながら得失点差で19位のままになってしまう。
絶体絶命と言っていい局面で、瀬沼優司が値千金のゴールを叩き出す。76分に途中出場し、その3分後にゴールを決めていた背番号10は、90+3分にクリアボールを受けて独走し、右足でネットを揺らしたのだった。
カウンターに活路を見出した戦いを、柳下正明監督は「勝つためのプレーをしてくれた」と評価した。「山形はどことやっても相手よりチャンスを多く作り出しているので、それに対して打ち合うというのはいまのツエーゲンにはできない。勝ち点3を取るためには、今日みたいなサッカーをするしかない」との覚悟を持って臨んだ一戦だった。
2ゴールの瀬沼も「簡単な試合にならない苦しい時間が多い試合でしたけど、みんなで粘り強く守って、ホントに少ないチャンスをものにして勝てたゲームだったと思います」と振り返る。4試合ぶりにつかんだ勝利によって、金沢は大宮と相模原を抜いて17位に浮上したのだった。