■相手の手の内は分かっているなかで…
いい試合だったかどうかを問えば、多くの賛同は得られない気がする。
前半は明らかに攻めあぐね、後半も得点機を逃した。ここで先制できれば、という場面でスコアを動かせない。アウェイゲームはそもそも難しいが、自分たちでさらに難しくしたところはあった。
だが、日本は勝点3をゲットした。
日本時間11月17日午前1時にキックオフされたカタールW杯アジア最終予選のオマーン戦で、日本は1対0の勝利を収めた。順位は2位に上がった。中国と引分けたオーストラリアを勝点1差で上回り、W杯にストレートインできるポジションに躍り出たのである。11月シリーズにはプレーオフ圏外の4位で臨んだから、最大勝点の「6」を獲得したことで立場を大きく好転させたのだった。
最終予選も6試合目となり、対戦相手については多くの情報を持っている。オマーンはこれまでと同じ4-3-1-2のシステムで、スタメンもほぼ予想どおりだった。サイドチェンジをしながら機を見て守備ブロックへ縦パスを差し込み、相手のスライドが間に合わない状況を作り出したかったはずだが、パスのテンポが上がらなかった。ボールは保持するものの、守備ブロックの外側で動かすばかりだった。
23分に迎えた前半唯一の決定機は、オマーンのウィークポイントを突いたものだった。サイドからのクロスに対して、「3」の選手が戻り切らないことがあるのだ。長友佑都が左サイドからクロスを入れ、右サイドからゴール前へ走り込んだ伊東純也は完全にフリーだったが、シュートは枠をとらえることができなかった。