■キープレーヤーが負傷続出…連戦の影響も？
ここのところ、浦和は負傷者が続出している。チーム内でも随一のユーティリティプレーヤーであるＭＦ明本考浩は、もともとケガで離脱中。明本は様々なポジションで起用され、開幕戦からほとんどの試合に連続で出場していたが、１０月１６日に行われた第３２節のＧ大阪戦で、前半のうちに負傷で交代した。また、今節の鹿島戦では、前節の川崎戦で負傷したＭＦ柴戸海とＤＦ酒井宏樹がベンチ外となった。
エースであるＦＷキャスパー・ユンカーは、前節の川崎戦はベンチ外となっていた。今節は先発に復帰したが、コンディション不良のためか、後半開始とともにベンチに退いた。さらに、後半２２分にはＭＦ関根貴大が右肩を痛めて、プレー続行が不可能となり、交代を強いられる。
鹿島戦後、浦和のリカルド・ロドリゲス監督は、負傷者の状況について説明した。
今節を回避した柴戸と酒井については、「あまりいい状態ではない、ということです。少し違和感を抱えていたので、今日は（ベンチに）いませんでした。この終盤に差し掛かって、不運なことにケガ人が続いているが、できるだけ早く回復して、戻ってきてくれることを願っている」と話す。特に、酒井は１１月のワールドカップアジア最終予選を戦う日本代表メンバーにも選出されているが、「決して重傷というわけではないので、今後どうなっていくか見ていければ」と、指揮官は慎重な姿勢を見せた。
１０月までの浦和は、リーグ戦では来季のＡＣＬ出場権が獲得できる３位以内が射程圏内となり、カップ戦はルヴァンカップに天皇杯と、すべての大会において可能性が残されていた。しかし、それだけに連戦となり、厳しい試合日程をこなしてきた。そうした連戦の疲れや代償がここにきて表れているのか、コンディション面で不安を抱える選手が相次いでいる。
特に、直近の試合において、ＭＦ平野佑一との絶妙な距離感で攻守の要となっていたボランチの柴戸と、不動の右ＳＢの立ち位置を確立しつつある酒井の離脱は、大きな痛手である。加えて、今節では関根の負傷交代もあり、現在の“台所事情”が困難を極めていることは否めないだろう。
しかし、そんな状況の中、今節の試合終了間際のことだった。リカルド監督は驚きの采配を見せたのだった。
■試合結果
鹿島アントラーズ １―０ 浦和レッズ
■得点
３６分 土居聖真（鹿島アントラーズ）
