■郷家「(U-20)ワールドカップを経験しているのは自分しかいない」

 2年ごとに開催されるU-23アジアカップは、五輪と同年開催の時には最終予選を兼ねる。当然そこにはU-23の五輪代表が出場することになるが、そうでない場合にはU―23で挑まない選択もある。たとえば日本は2018年(※当時はU―23アジア選手権)の同大会にU―21代表を送った。今回の2試合が来年のU-23の大会のためのものなのにもかかわらず、パリ世代が本格始動、という扱いをされるのはそういう理由だ。

 ちなみに、2018年のU-21代表に選ばれた25人から東京五輪のメンバーに残ったのは板倉滉三好康児前田大然旗手怜央の4人。パリ五輪に向けて始動したこのチームが最終的には別のものになると予想されるのも頷ける。

 では今回、将来的にオーバーエイジ枠の選手になる郷家はなぜ招集されたのだろうか。

郷家友太は、国際大会の経験の還元と、年長者として模範となる役割を担った U-22日本代表VS香港代表(20211028)撮影/原壮史

 本人も「最初は不思議に思っていた」そうだ。しかし、集合したメンバーを見て気付いた。「(U-20)ワールドカップを経験しているのは自分しかいない」と。

 新型コロナウイルスの影響により、今年インドネシアで開催予定だったU―20ワールドカップは中止になった。当然その予選もなく、育成年代での貴重な国際経験の場が失われてしまった。

PHOTO GALLERY U22日本代表対香港代表 20211028
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