■年少の選手たちが主力を占めた理由
もっとも、日本チームの状況を考えれば、ミスが多かったことも想定内だったと言わざるを得ない。
先ほども書いたようにUー22日本代表(実質的にはUー20)にはJリーグでレギュラーとして出場している選手が多いのが強味の一つだ。かつては、「Uー20代表では出場機会が与えられていない選手が多い」というのが大問題だったが、最近ではJリーグで若い選手にも出場機会が与えられるようになっているのである。
それは、日本サッカーのためには肯定的な現象なのだが、Uー22代表のチーム作りのためには逆に難しい問題となってしまう。
つまり、Jリーグのトップに所属している選手の多くが、直近の週末に行われたリーグ戦に出場してから合流することになったのだ。
ヴィッセル神戸の郷家友太は22歳の最年長の世代で、攻撃面でこのチームを引っ張っていくことが期待されている選手だが、10月24日のJ1リーグ第33節の名古屋グランパス戦でフル出場しているのだ。そのほか、松岡大起(清水エスパルス)、田中聡(湘南ベルマーレ)、馬場晴也(東京ヴェルディ)、半田陸(モンテディオ山形)も、それぞれがJ1もしくはJ2でフル出場。徳島ヴォルティスの藤田譲瑠チマも86分までプレーしている。
日曜日の試合に出場した選手たちにとっては、中2日でのカンボジア戦というスケジュールになるし、月曜日になって合流した選手たちにとっては、チーム練習が1日しかできていない状態だったのだ。
前半に得点を決めた松木や甲田のような、このチームの中でも下の世代に当たる選手、高校生や大学生の選手が活躍したのも、そうした事情があったからこそである。