■日本にミスが多発したもうひとつの理由
ミスが多発したのには、この日のJーヴィレッジ・スタジアムのコンディションも影響していたのかもしれない。
東日本は試合の前夜から低気圧による大雨に見舞われていた。そして、Jーヴィレッジ・スタジアムは使用頻度がかなり高いということでピッチコンディションもあまり良くなかった。芝生も、張り替えてから日数が足りず、しっかりと根付いていないような印象で、そこに雨が重なってかなり軟弱な状態だった。
しかも、一度は雨は上がって前半には雲間から太陽の光が差し込む時間さえあったが、後半に入ると再び強い雨が降り出し、風下側に立った日本チームは強い雨と向かい風に悩まされることになったのだ。
もっとも、これからアジアでの戦いに臨むことになれば、ピッチコンディションや気象条件を言い訳にはできない。
たとえば、前回のAFC Uー23選手権はタイで開催されたが、メイン会場となったラジャマンガラ・スタジアムの芝生はこの日のJーヴィレッジ・スタジアムの芝生よりもさらに軟弱なものだった。
ただ、このチームはまだチームとしての完成度が低い状態だったのだ。
完成度が高く、各選手の役割がはっきりと確立されているのであれば、悪コンディションであってもそれなりの戦い方ができるのだが、まだお互いの立ち位置を確かめながらのプレーでは、気象条件やピッチコンディションから受ける影響も大きい。