■京都対山形はJ1レベルのクオリティ!

 首位に返り咲いた京都は、ライバルのひとつを下した。勝点49で7位の山形から、アウェイで2対0の勝利をつかんだのだ。前節は琉球を2対1で退けていたから、上位対決を連勝で乗り切ったことになる。

 試合はスリリングだった。チョウ・キジェ監督のもとで攻守に質の高いサッカーを展開する京都と、ピーター・クラモフスキー監督の就任後は攻撃志向を結果に結びつけてきた山形が、真正面からぶつかり合ったのだ。面白くならないはずがない。

 どちらも攻めるために守り、もったいないミスがない。後方から選手が飛び出していき、ボールに関わることで、攻撃に推進力とバリエーションを生みだす。ワンタッチプレーを効果的に織り交ぜることで、相手の目線をズラしてスピードアップする。インテンシティはもちろん高い。J1で采配をふるったこともある両指揮官のもとで、京都と山形はJ1に見劣りしない攻防を繰り広げていった。

 勝負の分かれ目は「一瞬」に凝縮された。

 前半43分、山形が5対2の局面から山田康太がシュートを浴びせると、GK若原智哉がセーブする。このセカンドボールを右サイドバックの飯田貴敬が確保すると、京都がカウンターを発動する。 

 ドリブルで運んだ飯田が縦パスを通し、右サイドへ流れたピーター・ウタカが反応する。飛び出してきたGKビクトルを交わし、無人のゴールへシュートする。この一撃はCBにクリアされたものの、ゴール前に残ったボールを宮吉拓実が蹴り込んだ。攻守の切り替わりでわずかに先んじた京都が、守勢だった前半終了間際に先制点を奪った。

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