■後半はペースダウンし、交代枠が残り…
前半は一方的に押し込んだ。先発で起用された久保と古橋亨梧は、持ち味を発揮して相手守備陣の脅威となっていた。
同時に、中国が日本を過剰にリスペクトしたと言うことはできる。攻める姿勢が見えなかったのだ。後半も5-3-2のままでスタートするが、60分過ぎの3枚替えをきっかけに4バックへ変更してきた。
中国からすれば、システム変更直後が好機だったはずだ。日本が4バックへの対応を整理するまえに同点へ持ち込みたかったはずだが、日本陣内でのプレータイムこそ増えたものの、吉田麻也と冨安健洋を中心とする守備陣を攻略するには至らなかった。
日本も後半はペースダウンした。後半開始早々に古橋が負傷交代したのはその要因のひとつで、75分の鎌田大地の投入も効果的ではなかった。代わって退いた伊東は、後半も縦への推進力を発揮していた。警告を受けていたことを加味した交代だったのだろうが、伊東ではなくボランチの遠藤航を休ませ、守田英正を投入して柴崎岳を前へ出す、といった変更も考えられた。
森保一監督は3度目の交代として、87分に長友佑都を下げて佐々木翔を投入した。長友が足を気にしていたことによる措置だったが、このタイミングで大迫を代えても良かっただろう。ゲームは1対0のまま終盤に突入しており、マイボールをできるだけ敵陣で保持したい時間帯である。ボールを収められなくなっていた大迫から、オナイウ阿道へスイッチするべきだった。追加招集したオナイウを起用することは、10月以降の準備にもなる。何よりも、交代枠はまだ残っていたのだ。