■大宮が3か月ぶりに残留圏に浮上

 J2残留戦線には大きな動きがあった。

 大宮が今シーズン初の連勝を飾り、21位から18位へ順位を上げたのである。5月16日の14節以来、およそ3か月ぶりにJ3降格圏から抜け出したのだ。

 前節の松本戦はゴールラッシュの快勝だったが、東京ヴェルディをホームに迎えた今節は粘り勝ちだった。

 2対0で迎えた後半開始直後に失点すると、その後は東京Vに押し込まれた。52分、左サイドバックの河面旺成が負傷交代するアクシデントに見舞われる。河面に代わって右サイドから左サイドへまわっていた馬渡和彰も、77分に自らピッチに座り込んでしまった。

 DFラインの2選手がケガで交代することになったが、最後まで集中を切らさず、身体を投げ出して守り切った。一人ひとりの選手の闘争心が大きな塊となり、ゴール前での粘り強い守備が実現したのだった。闘争心が可視化したような戦いは、チームが変わってきていることを強く感じさせた。

「順位を考えると、ホーム2連戦でどうしても勝点6が欲しい状況でした」と霜田正浩監督は切り出し、「攻め勝つことも守り勝つことも、両方できなくてはいけないと改めて思いました」と続けた。松本戦は攻撃力で勝利したが、この日は守備力が支えになったのである。

 14位の栃木SCから22位の相模原までの9チームが、勝点5差で競り合っている。J3降格圏から脱出した大宮も、まだまだ安閑としてはいられない。

 ただ、大宮にはアドバンテージがある。得失点差だ。9チームのうち7チームが2ケタのマイナスを記録している一方で、大宮は最少のマイナス5にとどめている。

 大宮とは対照的に、得失点差のマイナスが大きいのは名波浩監督率いる松本だ。前節の大宮戦に続いて、今節も磐田に0対4で敗れた。26節から3連敗となっており、セルジーニョ伊藤翔らの補強が実を結んでいない。7日開催の京都戦の結果次第では、さらに苦しい状況に立たされることになる。

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