■4大会を戦う強者ゆえの過密日程
今季、Jリーグはまだ27試合だが、ACLその他の公式戦を含めると、川崎は8月末までに37試合を戦ってきた。それに加え、DF山根視来、DF谷口、MF脇坂は日本代表戦、MF旗手はオリンピック代表として強化のための試合とオリンピック本番の試合があった。チームの疲弊は目に見えている。
しかも、日程は今後さらに厳しくなる。9月5日に浦和との準々決勝の第2戦を控えるルヴァンカップは、この記事の締め切り時点ではどうなるかわからないが、現時点の川崎は、Jリーグ、ルヴァンカップ、天皇杯、ACLと、4つもの大会を並行して戦っているからだ。
今月14日には、ACLのラウンド16(1戦制)が、韓国の強豪・蔚山現代との間で、アウェーで行われる。9月9日に予定されていた神戸戦が、DF山根が日本代表に選出されて7日の中国戦まで戦うことになったため9月29日に延期されたが、今月だけで7試合をこなさなければならないという厳しい状況に変わりはない。そしてルヴァンカップとACLで勝ち上がれば、10月には、天皇杯とJリーグを含め、8試合になる可能性がある。
この夏に川崎を苦しめたもうひとつの問題は、圧倒的な強さを誇るホーム等々力競技場での試合ができなかったことだ。等々力競技場は、オリンピックとパラリンピックの英国陸上チームのトレーニング施設となっており、7月中旬にACLから戻って以来、いちども試合に使えず、天皇杯、ルヴァンカップを含めると、国内の試合だけで実に「アウェー9連戦」となった。9月5日のルヴァンカップ準々決勝第2戦(対浦和)は、5月30日の鹿島戦以来、実に3カ月ぶりの「ホーム」なのだ。