【サッカーW杯最終予選】日本完敗の激論(2)「VARがきっかけでスイッチが入ると思ったら…」「良い攻めができずに負けたのは大問題」「6月までの鎌田大地とは違っていた」の画像
鎌田大地 写真:中地拓也

森保一監督が率いるサッカー日本代表が、2022カタールワールドカップ出場を懸けて臨んだアジア最終予選の初戦は、ホームで0−1という敗戦となった。2大会連続で初戦を落とした日本代表は、6チームホームアンドアウェーの総当たり全10戦を戦い抜き、ワールドカップ出場を手にすることはできるのかーー。取材歴50年を超える大住良之、後藤健生のサッカージャーナリストが縦横無尽に語り尽くす!

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後藤「前半は危ないところがほとんどないような試合で、こっちが慎重すぎて点が入らなかった感じ。それで、いずれは1点を取って勝つんだろうなと思っていたけどね。それが、後半にゲームが動き出してからおかしくなっちゃった」

大住「あのVARで救われたあとは精彩がなかったね」

―51分に、日本のペナエルティエリア内でオマーンのクロスが長友佑都の手に当たった、という判定で、PKの判定。VARチェックで判定が変更されてPKが取り消されました。

後藤「VARがきっかけで日本にスイッチが入るのかなって思っていたら、逆にオマーンにスイッチが入っちゃった。向こうがだんだんと自信をもってきた」

大住「そうなんだよ。本当はあれで“よっしゃ儲けもの”って雰囲気にしなくちゃいけないのに、逆だったからね」

後藤「今日の前半のような試合だと、どういう風にスイッチが入るかが問題になってくる。

 最も良いのは選手が考えてなにかしらの形でスイッチを入れる、もしくは監督が選手を入れ替えたりシステムを変化させてスイッチを入れる。それができない場合は、偶然にトル点が入った、点を取られちゃった、あるいは誰かが退場になった、そういったきっかけでゲームが動くことがある。

 それで今回は、あのVARがきっかけになるかなと思ったら、日本にとっては何にもならなくて、逆にオマーンのきっかけになってしまった」

大住「あの直後にはたしかに良い攻めがあったんだよね。酒井宏樹のクロスに、長友が飛び込んでヘディングしたやつ。あれを決められるのが強いチームなんだよ。ああいうできごとがあった直後に、点を入れることができる」

後藤「しかも、ハンドでPKを取られかけた長友が決められていたら、それこそ絵に描いたような展開だったよ」

大住「そう。そのへんがなんか元気がないというか、覇気がないというか」

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