■7試合連続失点の磐田は守備への不安が再燃か

 2位に転落した磐田は、最下位のSC相模原に苦しめられた。序盤から決定的なシーンを作られ、37分に藤本淳吾に直接FKを決められてしまう。2失点目を喫してもおかしくない展開のなかで、後半終了間際に山本康裕がなんとか同点弾をねじ込んだ。

 高木琢也監督の就任からほぼ3か月が経過した相模原が、試合内容を改善してきているのは間違いない。新戦力の相次ぐ獲得も、チーム力アップにつながっている。

 ただ、J1昇格争いを演じている磐田には手痛いドローとなった。

 チームの課題が再び浮き彫りになっている。21節から7試合連続で失点を喫しているのだ。失点「30」はリーグで11番目と、守備力が強みにできていない。14節から7試合連続でクリーンシートを達成し、J1昇格圏の2位へ浮上していった当時の安定感が失われてしまった。直近の3試合は先制点を許しており、それでも前2試合は逆転勝利を収めたが、今節は1対1に持ち込むのが精いっぱいだった。

 2位以内でJ1昇格を果たしたチームは、ほぼ漏れなく1試合平均失点を「1」以下に抑えている。唯一の例外と言っていいのは18年の大分トリニータで、51失点を記録した。ただ、得点はリーグ最多の76で、得失点差もリーグ最多のプラス25を弾き出した。

 磐田の45得点は新潟の48得点に次ぐものだ。「攻め勝つ」サッカーはできるが、藤本憲明、馬場賢治、後藤優介三平和司の4人が2ケタ得点を記録した18年の大分のような破壊力はない。基本的にはルキアンが頼みだ。19年以来となるJ1復帰を手繰り寄せるには、守備の安定感を取り戻すことが必要だろう。

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