■8月21日/J1第25節 ヴィッセル神戸1-0鹿島アントラーズ(ノエスタ)
武藤嘉紀が入ったことで、アンドレス・イニエスタのプレーが変わった。さらには、その2人のプレーが周囲の選手を触発したかのようだった。
その結実が、79分の場面だった。60分からピッチに立った中坂勇哉は、ベンチで武藤とイニエスタのプレーをよく見ていたに違いない。ハーフウェーライン手前でボールを受けた中坂は、イニエスタのようなプレーを見せた。タッチライン際へと送られてきたボールを、1タッチで前方へ送る。その先にいたのは、もちろん武藤だ。
ボックス左ににじり寄った武藤は、自ら持ち込むのではなく、パスを選択した。右足アウトサイドにかけて送ったクロスは、GKとDFの間の隘路を縫った。走り込んだドウグラスも届かなかったものの、追走していた山口蛍が体ごとゴールへねじ込んだ。
合流3日目でいきなり試合に出て、決勝点をアシスト。三浦淳寛監督は、「コンディションはまだまだだと思うが、彼の経験と何か点に絡める雰囲気をこの2日間で感じたので起用することに決めた」と話した。