【J1分析】江坂任がピッチ上で築いた明本考浩との「絆」【浦和対鳥栖】浦和新加入・江坂任1G1Aの躍動(2)の画像
浦和新加入の江坂任「自分の特徴を理解してもらった」 撮影/渡辺浩樹(SONYα9Ⅱ使用)

■8月14日/J1第24節 浦和レッズサガン鳥栖 (浦和駒場)

 J1第24節の浦和レッズとサガン鳥栖の試合では、前節の札幌戦に引き続き、今夏に柏から浦和へ移籍してきたFW江坂任がトップ下でスタメンとなった。試合は前半36分に江坂のアシストから明本考浩が先制点を決める。

 一旦は追いつかれたものの、後半37分に明本が相手に倒され、浦和がPKを獲得。2分後に蹴られたPKを江坂がゴールにおさめ、浦和が2-1で勝利した。江坂は1ゴール1アシストを記録し、移籍後初ゴールを飾った。

 今節は随所で江坂の持ち味が発揮されたが、江坂は連携面について問われると、やや表情を曇らせた。それでも、「まだ(チームに)合流して(期間が)短いので、(ピッチの)中でみんなで喋りながら擦り合わせていこうということで、槙野(智章)くんを中心にまとまれたかなと思います」と話した。その表情からも読み取れるように、まだコンビネーションについては十分ということではないだろう。

 しかし、試合中に江坂がチームメイトに寄り添う姿は何度も見受けられた。後半の飲水タイム中には、同じく浦和に移籍してきたばかりのMF平野佑一と身振り手振りを交えながら、数分間にわたって確認を行っていた。

 そして、今節の2ゴールのシーンで印象的だったのは、ゴール後の江坂と明本のやり取りだ。前半36分に江坂のアシストから明本が先制点を奪った場面、明本に一番に駆け寄ったのは江坂だった。また、後半39分に江坂がPKを決めたシーンのあとにも、鳥栖ボールで試合が再開される際に、江坂と明本は2人で何かを話しながら自分たちの定位置に戻っていったのだ。

 江坂と明本の間には少しずつ信頼関係が生まれているのかもしれない。そんな印象を抱くシーンだった。

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